SLAPP WATCH

大企業や団体など力のある勢力が、反対意見や住民運動を封じ込めるため起こす高額の恫喝的訴訟をSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)といいます。このブログはSLAPPについての国内外の実例や法律を集め、情報を蓄積し公開する研究室兼資料室です。反対運動のサイトではありません。基本的に♪
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米大手紙注目のサイバー・スラップ、却下される
コチラ(米大手紙がサイバー・スラップに注目)でとりあげたサイバー・スラップの事例。裁判所によって訴訟却下の判断が下されていました。裁判の進行中にSLAPPの見出しで新聞が報じたこと、印象深いのはそこです。

neurodiversity weblog: Quashed!



| slapp | サイバーSLAPP | 07:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
米大手紙がサイバー・スラップに注目
WALL STREET JOURNAL(WSJ)のサイトを見ると、BEST OF THE WEB TODAY というウェブの注目の記事や出来事を紹介するコーナーがあり、そこで今月10日、Cyber-Slappという見出しで、あるブロガーが被っている事態が、典型的なSLAPPではと紹介されていました。このコーナーは、記事として書かれているのか、論評として書かれているのか、よくわからないのですが、気になるニュースです。現在進行形の出来事で、市民団体・ Public Citizen の法律専門のチームが支援にのり出しています。

Best of the Web Today - WSJ.com Cyber-Slapp

それによると、話は自閉症スペクトラムと診断されている子を持つ母親が、自閉症をテーマとしたサイト、Neurodiversity.com(神経多様性の意)を運営していたことにはじまります。自閉症の原因をめぐっては、かつてワクチンの保存剤として使われていたチメロサールという物質を原因とする説がありました。母親は、その説に懐疑的な意見を自らのサイトで書いていたそうです。

するとその記述が、ある弁護士の目に留まります。WSJでは、これは金になると考えた弁護士の目に留まったという書き方をしています。ワクチン保存に使われていたチメロサールは水銀を含む物質で、その水銀が自閉症を引き起こす原因になっているのか、諸説の論争が続いている状態のようです。ワクチン接種と自閉症の発症の因果関係を問う訴訟は、アメリカで総計5千件は起きているそうで、母親が意見を書いた問題は、アメリカ国内では非常に関心度の高い問題のようです。

そして先月、突然母親のもとへ弁護士から、宣誓供述書と大量の必要書類を提出せよ、と召喚令状が届きました。簡単に言えば、Neurodiversity.comの運営が、いかなる背景をもつものでもないことの証明を求める内容のものでした。例えば、母親の意見が特定の勢力の手助けや金銭的援助によるものでないことを証明するため、銀行口座の収支報告書や受けた寄付の履歴(サイトは寄付を募っていた)など、さまざまな金銭的取引の書類の提出を求めています。また、法的支援サービスの使用歴や、サイトを運営するにあたって、なんらかの関わりをもった相手、例えば、議員、製薬会社、政治的な運動体や宗教団体等々、ありとあらゆる組織、果ては個人に至るまで文書で明かせと要請してるそうです。

母親は特定の勢力とのつながりを否定しています。この召喚令状を出した弁護士は、医薬品会社に損害賠償を求める裁判を起こしている人々の代理人になっていて、その裁判に絡んで召喚令状を出したようです。母親は言論の自由の侵害だとして、裁判所に召喚状却下の動議を出しています。一連の出来事は、個人がブログで情報発信していただけで、大変な負担をつきつけられた格好です。

正直言って、弁護士がどういう法的根拠で母親に対して召喚令状を出したのか、その強制力はどれほどのものなのか、はっきりと理解できていません(わかる方は教えてください)。でも、WSJがCyber-Slappをジャーゴンとしてとりあげたのは初めてっぽいので、現段階で注目してみました。(ヤヤコシヤーヤヤコシヤー)

◇参考
neurodiversity weblog
Public Citizen | Litigation Group - Litigation Group
臨床栄養士のひとり言 : ワクチンと自閉症の関係の裁判本格化
| slapp | サイバーSLAPP | 12:09 | comments(0) | trackbacks(6) |
アップルによるSLAPP
MacBook Air
先日、「MacBook Air」が発売されましたね。マカーじゃないけど欲しいですなぁ・・・。マックの商品群や同社CEOのスティーブ・ジョブズの魅力はさておき、アップルがある小さな情報サイトに企業秘密を侵害したとして訴訟を起こして損害賠償を求めたことがあり、その提訴がSLAPPにあたると判断されたことがあるのはご存知でしょうか。その後も続いていた裁判が昨年暮れに、和解に至りました。

アップルは2005年1月、マックの情報サイト「シンク・シークレット」に、当時の新製品「iMac Mini」の情報が、その前年暮れの発売前の時点で掲載されたことは、企業秘密の侵害にあたるとして、同サイト管理人の大学生、ニック・チアレリを訴えました。アップルは、「従業員から情報を得ているはずで、企業秘密の不正入手にあたる」と主張したのです。

提訴後すぐにチアレリはカリフォルニア州サンタクララの地方裁判所にアンチ・スラップ法にもとづく申し立てを行い、アップルの提訴はサイトの報道の抑圧を目的とするものだと主張しました。

この事態を受けて、ウェブ上の表現の自由を守る活動をしている電子フロンティア財団(EFF)がチアレリの支援を表明、ブログジャーナリズムの世界で有名なダン・ギルモアもチアレリの立場を支持すると宣言しました。

以前も紹介しましたが、アンチ・スラップ法の下では、訴えたアップル側が立証責任を負い、裁判官に対し提訴の正当性を証明しなければなりません。そして2005年3月、裁判所はこの件を、表現の自由を侵害する根拠のない訴訟だとして、チアレリの主張を認めたのです。

この裁判は、インターネット上の表現の自由を企業が侵害する事例として注目されただけでなく、チアレリが情報の入手先を明かさなかったことから、取材源の秘匿の観点からも関心がもたれました。

その後、裁判の進行は停止していましたが、昨年暮れ、両者が「シンク・シークレット」の閉鎖を条件に和解に至ったのです。和解内容の詳細は明らかにされていませんが、アップルがチアレリに相当の金額を支払ったと見られています。和解後、チアレリは、「友好的な和解という形で合意に至った」と肯定的なコメントを発表していますが、企業が金を使って報道の封じ込めに成功したとする見方もあります。

なお、情報源の秘匿に関しては、アメリカではNGOにも情報源の秘匿を認める司法判断が出ているし、ブロガーにも権利を認める方向にあり、表現の自由や知る権利が、特定の報道機関や職業的ジャーナリストのものではないと認知されつつあります。

◇参考・・・画像はアップルのサイトから
Open Tech Press | Apple:情報サイトを閉鎖に追い込む 新製品暴露で
TechCrunch Japanese » Apple、Think Secretサイトを閉鎖に追い込む
アップルに関する噂サイト閉鎖で本当に傷を負ったのは誰か? - New York Times Blog - 合同会社翻訳オフィス駒田
アップルとマック情報サイトの闘い | WIRED VISION
Think Secret - Apple, Think Secret settle lawsuit
| slapp | サイバーSLAPP | 17:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
サイバー・スラップ
インターネット上の言論がきっかけになって、SLAPPに相当する裁判が起こされることが増えています。企業が自社に批判的な匿名のインターネット上の投稿をした個人に対して起こすSLAPPをサイバー・スラップと呼びます。

サイバー・スラップも、通常のSLAPPと同じで、言論の萎縮効果を狙ったものです。しかし、アメリカで議論になっているサイバー・スラップは、一般的なSLAPPとは違ういくつかの特徴がみられるといいます。

⊡ 被告が全くの匿名もしくはハンドルネームで書き込みを行う者であること。
⊡ それに対し、原告側が実名を明らかにせよと迫ること。
⊡ 概して原告側は、プロバイダーに記録の提出を求めようとすること。
⊡ 原告は、訴訟の争点となる匿名の書き込みは、企業秘密などを漏洩した雇用者、前雇用者、もしくは内部の者によるものだと訴えるため、名誉毀損とともに(もしくはそれに換えて)、企業秘密の漏洩や信義義務違反でも訴訟を起こす。
⊡ 原告には、企業の株価操作を匿名の書き込みは狙っているとして、株価の問題に言及する企業もある。

以上は、カリフォルニア・アンチ・スラップ・プロジェクト(CASP)のサイトのサイバー・スラップの解説に負っています。これらの点は、それを備えていなければサイバー・スラップではない、ということではなくて、新しい現象であるサイバー・スラップの特徴を、列挙したものと言えるでしょう。ネット上の匿名・実名をめぐるふるまいはアメリカと日本でかなり違いますから、日本のサイバー・スラップにも独自の特徴があるはずです。


◇参考
CyberSLAPPs
CyberSLAPP | Electronic Frontier Foundation
cyberslapp.org
| slapp | サイバーSLAPP | 19:19 | comments(0) | trackbacks(1) |
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