SLAPP WATCH

大企業や団体など力のある勢力が、反対意見や住民運動を封じ込めるため起こす高額の恫喝的訴訟をSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)といいます。このブログはSLAPPについての国内外の実例や法律を集め、情報を蓄積し公開する研究室兼資料室です。反対運動のサイトではありません。基本的に♪
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
表現の自由は、名誉毀損を上回る 〜 マックライベル事件
mclibelcase
ヨーロッパで最も有名なSLAPPの例といえば、McLibel事件になるでしょう。McLibelはMcDonald(マクドナルド)とLibel(名誉毀損)の合成語。この事件は15年にも及び、英国の歴史上、最も長期にわたる裁判闘争としても有名です。

2005年2月、欧州人権裁判所は、環境活動家、ヘレン・スティールとデイビッド・モリスの二人が、英国でのマクドナルドとの名誉毀損裁判において、公正な裁判を受ける権利を得られなかったとして、損害賠償として24000ポンドと裁判に要した実費を払い戻す決定を下しました。この判断は訴訟費用が回収できる米のアンチ・スラップ法を思い起こさせます。

1985年からロンドングリーンピース(国際グリーンピースとは別)の環境活動家が、ファーストフード企業のマクドナルドに抗議するチラシを配り始めました。チラシにはマクドナルドの経済活動が、第三世界の貧困、森林破壊、動物虐待、低賃金労働での搾取などをもたらすと書かれていました。マクドナルドは、これらの活動家らの行為が名誉毀損だとして、1990年に提訴したのです。巨大企業が貧しい活動家二人を訴えた構図は、まさにSLAPPでした。

英国の法廷では最終的に、マクドナルドがいくつかの論点について勝訴となり、1997年、二人は名誉毀損で有罪判決を受けました。損害賠償額は40000ポンドに及びましたが、マクドナルドは受け取りを辞退しました。この判決に対し、二人は欧州人権裁判所での判断を求めたのです。

欧州人権裁判所は、英国の裁判においては、被告となった二人が充分な法的な支援を受けられなかったために、欧州人権条約下での彼らの表現の自由が侵害されていた、と判断しました。名誉毀損で部分敗訴していても、表現の自由の価値はそれを超える、と最終的に判断が下されたのでした。


◇参考・・・画像はthe Washington Postより
McLibel case - Wikipedia, the free encyclopedia
M c S P O T L I G H T
Living with Art: 英国最長の判決 マクドナルドに環境活動家が勝訴l
| slapp | ヨーロッパのSLAPP実例 | 22:33 | comments(0) | trackbacks(10) |
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>

このページの先頭へ