SLAPP WATCH

大企業や団体など力のある勢力が、反対意見や住民運動を封じ込めるため起こす高額の恫喝的訴訟をSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)といいます。このブログはSLAPPについての国内外の実例や法律を集め、情報を蓄積し公開する研究室兼資料室です。反対運動のサイトではありません。基本的に♪
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アップルによるSLAPP
MacBook Air
先日、「MacBook Air」が発売されましたね。マカーじゃないけど欲しいですなぁ・・・。マックの商品群や同社CEOのスティーブ・ジョブズの魅力はさておき、アップルがある小さな情報サイトに企業秘密を侵害したとして訴訟を起こして損害賠償を求めたことがあり、その提訴がSLAPPにあたると判断されたことがあるのはご存知でしょうか。その後も続いていた裁判が昨年暮れに、和解に至りました。

アップルは2005年1月、マックの情報サイト「シンク・シークレット」に、当時の新製品「iMac Mini」の情報が、その前年暮れの発売前の時点で掲載されたことは、企業秘密の侵害にあたるとして、同サイト管理人の大学生、ニック・チアレリを訴えました。アップルは、「従業員から情報を得ているはずで、企業秘密の不正入手にあたる」と主張したのです。

提訴後すぐにチアレリはカリフォルニア州サンタクララの地方裁判所にアンチ・スラップ法にもとづく申し立てを行い、アップルの提訴はサイトの報道の抑圧を目的とするものだと主張しました。

この事態を受けて、ウェブ上の表現の自由を守る活動をしている電子フロンティア財団(EFF)がチアレリの支援を表明、ブログジャーナリズムの世界で有名なダン・ギルモアもチアレリの立場を支持すると宣言しました。

以前も紹介しましたが、アンチ・スラップ法の下では、訴えたアップル側が立証責任を負い、裁判官に対し提訴の正当性を証明しなければなりません。そして2005年3月、裁判所はこの件を、表現の自由を侵害する根拠のない訴訟だとして、チアレリの主張を認めたのです。

この裁判は、インターネット上の表現の自由を企業が侵害する事例として注目されただけでなく、チアレリが情報の入手先を明かさなかったことから、取材源の秘匿の観点からも関心がもたれました。

その後、裁判の進行は停止していましたが、昨年暮れ、両者が「シンク・シークレット」の閉鎖を条件に和解に至ったのです。和解内容の詳細は明らかにされていませんが、アップルがチアレリに相当の金額を支払ったと見られています。和解後、チアレリは、「友好的な和解という形で合意に至った」と肯定的なコメントを発表していますが、企業が金を使って報道の封じ込めに成功したとする見方もあります。

なお、情報源の秘匿に関しては、アメリカではNGOにも情報源の秘匿を認める司法判断が出ているし、ブロガーにも権利を認める方向にあり、表現の自由や知る権利が、特定の報道機関や職業的ジャーナリストのものではないと認知されつつあります。

◇参考・・・画像はアップルのサイトから
Open Tech Press | Apple:情報サイトを閉鎖に追い込む 新製品暴露で
TechCrunch Japanese » Apple、Think Secretサイトを閉鎖に追い込む
アップルに関する噂サイト閉鎖で本当に傷を負ったのは誰か? - New York Times Blog - 合同会社翻訳オフィス駒田
アップルとマック情報サイトの闘い | WIRED VISION
Think Secret - Apple, Think Secret settle lawsuit
| slapp | サイバーSLAPP | 17:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
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