SLAPP WATCH

大企業や団体など力のある勢力が、反対意見や住民運動を封じ込めるため起こす高額の恫喝的訴訟をSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)といいます。このブログはSLAPPについての国内外の実例や法律を集め、情報を蓄積し公開する研究室兼資料室です。反対運動のサイトではありません。基本的に♪
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オリコン訴訟、東京地裁判決、烏賀陽側に100万円の賠償命じる
20070422 club

音楽のヒット・チャート作成で知られるオリコン株式会社が、雑誌『サイゾー』にコメントした内容が名誉毀損にあたるとしてジャーナリスト・烏賀陽弘道に、5000万円の損害賠償を求め、かつ烏賀陽側も反訴し、1100万円の損害賠償を求めていた裁判は、22日、東京地裁(綿引穣裁判長)で判決が下され、烏賀陽側に100万円の損害賠償が命じられました。烏賀陽側は控訴する方針です。

この日解放された傍聴席33席は抽選となり、開廷時にはテレビカメラの撮影もあり、間違いなく関心度の高い裁判でしたが、オリコン側の出廷はありませんでした。

綿引裁判長は、烏賀陽の「オリコンは予約枚数もカウントに入れている」といったコメントの真実性、真実相当性をいずれも否定、チャートに関する疑惑を「単なる風聞にすぎないことはいうまでもない」と、断じました。

判決は、弁護団が独自にオリコンの調査対象店を訪ねて行った調査は信用できない、ジャーナリスト・津田大介氏が複数音楽関係者に聞き取りを行って提出した陳述書も信用できない、本人がレコード関係者に行った取材結果も信用できないなどと、烏賀陽側が提出した数々の証拠について、証拠価値がないとしました。

裁判後、烏賀陽側代理人・釜井英法弁護士は、「(証拠の評価が)あまりに一方的。弁護士が調べたものを信用できないとは、偏見すら感じる」と判決の不当性を強調しました。

烏賀陽本人は、この判決を受けて、こうコメントしました。「この裁判は、烏賀陽vsオリコンというかたちをとっているが、言論の自由と民主主義をぶち壊そうという勢力との闘い。恫喝訴訟をしたほうがトクだという暗黒時代の幕開けにしてはいけないと思う。この判決を認めると、書いた人間の文責は問われず、取材源だけが狙われる。取材して報道するということが成立しなくなる。」

さらに「取材先」「情報源」だけを狙い撃ちした提訴は、供述調書を漏洩したとして医師が刑事責任に問われている『ぼくはパパを殺すことに決めた』事件と同じ構造でもある、とあらためて訴訟の特異性を指摘しました。

追記:オリコンによるプレスリリースが出ていました。
訴訟の判決に関するお知らせ
| slapp | 日本のSLAPP実例 | 18:21 | comments(4) | trackbacks(1) |
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>供述調書を漏洩したとして医師が刑事責任に問われている

この時点で、職務義務違反をしているから、同じとは言えないでしょう。
| 通りすがり | 2008/04/23 11:54 AM |

> ートに関する疑惑を「単なる風聞にすぎないことはいうまでもない」と、断じました。

これはすごい
| はじめ男爵 | 2008/04/23 1:00 PM |

>通りすがりさん
あの記述では、言わんとしたことがわかりにくかったでしょうか。もちろん事例としては全然別ものです。記事なり本なりのメディアの成果物の、情報源だけが責任を問われている構図・構造が似ているという一側面をとりだして比喩した指摘です。
| slapp | 2008/04/23 2:27 PM |

雑文にコメント下さり有難うございます。

>あの記述では、言わんとしたことがわかりにくかったでしょうか。

わかりにくいと言うより、適当で無いと感じた為に書いたコメントでした。
(私のコメントの方が分かりにくいですね。すいません)
| 通りすがり | 2008/04/30 3:33 PM |










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