SLAPP WATCH

大企業や団体など力のある勢力が、反対意見や住民運動を封じ込めるため起こす高額の恫喝的訴訟をSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)といいます。このブログはSLAPPについての国内外の実例や法律を集め、情報を蓄積し公開する研究室兼資料室です。反対運動のサイトではありません。基本的に♪
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サンプロ・コメント訴訟の和解内容全文
朝日新聞社と記者の山田厚史氏が、テレビ朝日の番組「サンデープロジェクト」の、日興コーディアル証券の粉飾決算問題をあつかった回に出演した際の発言をめぐって、安倍晋三首相(提訴当時)の秘書らから、名誉毀損であると損害賠償などを求められていた裁判は、裁判所の和解勧告を経て、2月21日、和解に至っていました。山田氏を個人的に支援するチームAAAのサイトのトップページにて和解内容が解説されていますが、細かな字句の内容そのものはフォローされていませんでした。和解内容は下部引用部のようなものと判明したのでアップします。

今回の裁判は、山田氏の発言が発端であり、かつ、同内容を示唆する記事がその時点で既に世に出ていて、選別されたかのように矢面に立たされたこともあって、山田氏個人が目立つのですが、被告の対象には朝日新聞社も含まれていたことも忘れてはならないポイントです。ちなみに今回の裁判で山田氏側は、不当提訴を訴えるにあたって、ニューヨーク・タイムズvsサリバン事件の連邦最高裁判決、北方ジャーナル事件の最高裁大法廷判決などを援用していました。

原告の請求は、3476万円の損害賠償と謝罪広告の掲載というものだったのですが、この裁判の開廷にあたってかかる印紙代は12万5千円、これに弁護士費用を加えた額が、およそ今回の提訴にあたって、原告にかかったコストとなります。山田氏は、3月6日に、日本外国特派員協会で記者会見を行っているのですが、海外の記者がこの推移をどのように見ているのか、気になるところです。

<和解条項>  平成20年2月21日
1.被告山田は、テレビ朝日のサンデープロジェクトにおける被告山田の発言中に、原告らが誤解するような表現があったとすれば、遺憾の意を表する。
2.原告らは、その余の請求を放棄する。
3.原告らと被告らの間には、本件に関し、何らの債権債務がないことを確認する。
4.訴訟費用は各自弁とする。 以上。

追記
オーマイニュースに日本外国特派員協会での会見について記事が出ていました。
朝日新聞社が貫く「ジャーナリストの自己責任論」 - OhmyNews:オーマイニュース
| slapp | 興味深い裁判例 | 23:59 | comments(0) | trackbacks(1) |
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