SLAPP WATCH

大企業や団体など力のある勢力が、反対意見や住民運動を封じ込めるため起こす高額の恫喝的訴訟をSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)といいます。このブログはSLAPPについての国内外の実例や法律を集め、情報を蓄積し公開する研究室兼資料室です。反対運動のサイトではありません。基本的に♪
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
読売vs偽装部数調査報道記者・名誉毀損訴訟、黒薮氏全面勝訴
20091016判決後 
(ごぶさたしております。この間、オリコン訴訟が終結するなどさまざまな動きがありました。管理人としては、このブログはデータベース的意味あいの濃いサイトでありたいと考えていましたので、開設のきっかけとなったオリコン訴訟とて特別扱いすることは望ましくないと考えていました。控訴審以降、烏賀陽さんが情報をクローズにしたこともあって、その客観的動静が提供できなくなってしまったのですが、そこをスルーしたまま、なにか隠し事があるような感じを抱えたまま他の裁判をフォローし更新していくことは、どうしても気がすすみませんでした。オリコン訴訟の終結に関しては一傍観者として思うところありますが、またいつかの機会に書きます。)

新聞社の偽装部数問題を追及し続けているジャーナリスト・黒薮哲哉氏が、読売新聞西部本社とその社員、江崎徹志、長脇正裕、池本光男の各氏に、サイト上で行った記述が名誉毀損であるとして、2230万円の損害賠償を求めて訴えられていた裁判の判決が、16日、さいたま地裁(片野悟好裁判長)で言い渡され、裁判長は原告の請求を棄却し、黒薮氏全面勝訴の判決が出されました。

裁判は読売側は、黒薮氏が2008年3月、福岡県下の読売新聞販売店の改廃問題を自らのサイト「新聞販売黒書」(URLは現在のもの)で伝えたところ、その表現の一部が名誉毀損にあたるとして、同月、提訴したものでした。販売店改廃にあたり読売側がチラシを持ち去った出来事を、販売店側からみて窃盗という文言をもちいて表現した点などが争点となりました。

判決後、黒薮氏の代理人から、問題となった部分が記事に占める割合や、記事の掲載期間、反論の機会を与えていることなどから、全体として名誉毀損性がないと(判決では)判断されている、とコメントがありました。詳しくは黒薮氏自身のサイトで報告があるでしょう。読売側が控訴すると、裁判は東京高裁で係属します。

黒薮氏は現在、読売新聞側に訴えられている裁判が3件、読売側を訴えている裁判が1件、の計4件の裁判を抱えています。うち1件が高裁まで勝訴、のこりのうち1件が今回の件で、地裁段階で勝訴を得たということになります。
| slapp | 興味深い裁判例 | 20:05 | comments(1) | trackbacks(0) |
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< October 2009 >>

このページの先頭へ